「衣にはさみを入れる」ということ

先日「麻てらす」という映画を

観にいってきました。


麻が神事や衣類など、

いかに昔から日本人と関わっていたか、

など、深い深~い映画でした。


たくさんの人に観て欲しいなぁと、

思いました。



その映画も、良かったのですが。


映画を制作した吉岡敏朗監督が

上映前にしてくださったお話が、

今心に残ってます。


映画の中にも登場する

「田中忠三郎」さんのお話です。


田中忠三郎さんは、

民族館の館長で、

発掘や調査や研究をし尽くした人。


縄文遺跡の発掘調査やアイヌ文化、

民俗・民具などの研究をしながら、

刺し子や麻布、裂織・ぼろ布を

集めていらした。


貧しさの中でモノを大切にし、

モノへの感謝、先祖への感謝、

自然への感謝を持って誇り高く

生きられた方なのだそう。


小さい頃、布で遊んでいた忠三郎さんが

よく母上に言われたこと。


「物には命がある。衣にはさみを入れる時は大切に扱わなければいけない。」


というような事だったと思うのだけど、


それを聞いて、

私は日頃、息子が私の布で

遊ぶ姿を思い出しました。


私が何か縫い物をしていたら、

自分も何か作りたいという。



使って良い布はどれかと

聞いてくれるのだけど、


その使い方が、

「少しずつ、自分のいる分だけ、」

ではなく、

結構、大胆にジョキジョキと

切ってしまう様子に私の心は、

「う~ん…」と、引っ掛かっていました。



子どもの想像力を広げる為にも、

小さい子だから仕方ないのかしら。


と、思っていたけれど、


やっぱり大切に扱う事を教えてあげなきゃいけなかったんだ!


そうして私の心が、

ジョキジョキのそれを目にする度に、

シクシクと傷んでいた事も分かりました。


映画を見て、

麻の事をより知れて、

また私のエネルギーになった事も良かった。


そして、


「衣にはさみを入れる」


という事の大切さを

知っていたつもりだったけれど、


「子どもたちにもきちんと教えてあげなさいよ」


と、もう一度教えてもらったようで、

私の心が深くこの言葉を受け止めたのでありました。

愉しむ暮らし

子育てしながら忙しく暮らす中でも、ひとつひとつ、愉しみたいなと思っています。8歳の息子と4歳の娘を子育てする中での学び、気づき、菜食のことや手仕事する暮らしを綴っています。

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